2007バーゼルレポート

21日に香港に戻ってきてすでに10日が過ぎた。

いつものことだが帰ってきてからの時差ぼけがきつく夜になってもちっとも眠くならない日が続くことが多い。

今年は意識的に香港時間に合わせて生活をしたところいつもよりすんなり入っていけたようだ。

今年のバーゼルは本当に暖かい日が続いた。

いつもこの時期はコートが離せないのだがほとんど要らなかったばかりか上着を着ていても汗ばむほどで、半そで姿が多く見られた。

天気の良さのせいもあってか今年は人出が昨年よりかなり増えているように思える。

メインのホール1もそうだが香港ブースのあるユニバース館のほうも人が多く当社のブースにも来客は昨年より多かった。

世界の時計マーケットが回復してきているとすれば業界人にとっては喜ばしいことだ。

今年のバーゼルを自分の目でみた印象はとにかくラバーベルトがずいぶん増えてきたなというのがまずあげられる。

しかもかなりの高級ブランドでも使用している。

以前からあって私が気がつかなかっただけなのだろうか。とにかくそういった目で見るとあちこちのブランドにあることが分かる。

ダイバーに限らず使っているように見える。もともとウブロが以前から使っていたようにドレス系のモデルにもラバーを使っているものがある。

私にはこれはひとつのトレンドのように思えた。黒が多いがカラフルなものも見かける。

今年の話題はおそらく雑誌報道関係の人にとってはまずROLEXのミルガウスモデルの復活だろう。

昔の強化耐磁モデルが何十年ぶりで再現されたらしく人が集まっていた。例の稲妻秒針がついている。時計雑誌にはトピックスとして大きな記事になるのだろう。

ケンテックスも期せずして超強化耐磁構造のプレステージを発表しているのでタイミングとしてはなかなか好都合だ。

やはりこれだけ世の中が携帯やパソコンが氾濫してくると電磁波があちこちから発生する環境の中では今後強い磁場からムーブを守る必要性はますます高くなって来ると考えられる。

精密な機械式時計で精度を追求しようとするのであればこういった磁場の環境の変化を無視することはできなくなってくる。

ROLEXもこうした環境の変化を読んでそれに対応しようとしたのだろうか。

あて今年の時計の色の変化はどうなのであろうか。私の印象ではまず黒が大きく増えている。

そして黒とローズゴールド(めっき)のケースとのコンビが目だって増えている。

これはスポーツ系のモデルに圧倒的に多いがドレス系のモデルにもその傾向が見られる。

二年ぐらい前からすでにその兆しがあるのだろうが今年はそれが誰の目にも明らかな印象だった。

この流れ、流行は今後一般の時計市場に波及していくのだろうか。おそらく日本でも今以上にそれが増えていくものと個人的にも予想する。

またドレス系では細縁(幅の狭いトップリング)のモデルが増えているように感じた。

薄型ドレスモデルがより薄くすっきりとしたデザインに向かっているように思える。

そしてケースは丸以外のスクエア(正方形)も以前より多くなっている様子で、異形モデルが定着してきた感がある。