トリチウムマイクロガスの安全性とクラフツマンの完成度

S526Mクラフツマン(プレステージスポーツ)に採用されたイルミネーションシステムはまったくの暗闇の中でも20年以上発光を持続するもので画期的なものです。

夜間での視認性は従来の蓄光方式に比べ段違いに高くなります。

ただ放射性物質であるためここでその安全性について触れておきたいと思います。

結論から先に言いますと人体には無害な設計になっています。

これはスイスMBマイクロテック社が開発したイルミネーションシステム(特許)で自己発光物質であるトリチウムガスをわずか0.25ミリ程度のガラス管の中に特殊な技術で封入し放射線が外部に漏れない仕組みになっています。

このガスカプセル(ガラス管)を文字板や針に接着により取り付けています。

仮に破損してガス漏れがあったとしても極めて微量で人体に被害が出ることはありません。大量を一気に取り込まない限り問題はありません。

また空気に触れたとたん他の物質と結びついて空気中に安定化します。

時間とともにヘリウムガスに変化します。

携帯電話の電磁波やタバコの方がもっと実害があるのではないでしょうか。

トリチウム放射性物質のため国内基準では925Mbq(メガベクレル)以下となっています。

クラフツマンはこの国内基準内に抑えており文字板にT25表示をしています。

参考までにトリチウム半減期は12,35年となっています。20年で約33%、25年たっても約23%の自己発光効果が持続します。

クラフツマンは12時、9時、6時のアラビアインデックスをスーパー蓄光としそれ以外をトリチウムとしていますので暗闇に入った瞬間はアラビア文字が明るく、時間がたつとトリチウムが全くの暗闇でもはっきりと時刻が分かるという、いってみれば両方のいいとこ取りをしていると言えます。

クラフツマンは究極の実用性をめざしたコンセプトです。

時計として必要な本当の機能をさまざまな角度から徹底追求するという理念から始まりました。

しかし初めからタフウォッチにあるデカ厚のごつさでなく普通に携帯しても付け心地のよいスマートなデザインでありたいとも思っていました。

その点大きさも考慮し、チタンという軽く丈夫で人体にやさしいアレルギーのない素材を採用しました。

私自身ステンレスでも時折かぶれたりするのでその点チタンだと安心して夏でも使えます。

デザイン、性能、機能面においてその完成度は私がこれまで開発してきた時計の中では間違いなくトップレベルにあると確信しています。

ケンテックスブランドをスタートしてちょうど10年になりますがその節目に時計メーカーとして誇りを持てるモノを世に送り出すことができると思っています。