クラフツマン25周年モデルーその1

さていよいよ新クラフツマン25周年モデルの紹介に入りたいと思います。
新たに開発するクラフツマンは当初のS526Mそしてサイズの大きくなったS526Xに続いて第三世代といえます。

サイズは第二世代と同じ、ケースベルトのベースデザインもほぼ同じですのでモデル№はS526Xを踏襲します。
時計ファンにとって気になる搭載ムーブメントは二つあります。

一つは国産機械式クロノグラフNE88、もう一つは同じく国産の9015です。
いづれも日本が誇る精密技術から生まれた高性能ハイビートムーブメントです。

新生ケンテックスは日本人開発者として日本のものづくりにこだわり、スイスに勝るとも劣らないメイドインジャパンをめざします。

ここではまずNE88搭載の25周年モデルを紹介していきます。

先に記しましたがKENTEX社創立25周年にあたる節目としてこれまで蓄積した技術ノウハウとデザイン力を総結集したモデルを開発するという強い思いで始まりました。

そのためムーブメントにも当然こだわります。
以前から期待していた国産の高性能機械式クロノが今年(2014年)からリークされ幸いこの25周年モデルに搭載可能となりました。


SEIKOでは8Rと呼ばれるキャリバーですが性能的には7750にも負けていないハイスペック高級クロノムーブメントです。

28800vivration(4Hz)のハイビートはもちろん、クロノグラフ作動機構は7750のカム方式(Cam System)に対して多くの高級ブランドが採用しているコラムホイール(ピラーホイール)方式(Column Wheel System)を採用しています。
ここはスタート、ストップを司る重要な部分で、ボタンを押すとレバーが動作し作動機構を動かし、伝達機構へとつながる各種レバーを動作させる機構です。
コラムホイール方式はカム方式に比べて動作がスムースで他部品への無理な力を防ぐことでムーブの耐久性、長寿命化が考慮された設計となっています。
ただし製作には高い精密技術が必要で難易度が高く高価となるため高級機種となりハイエンドブランドに採用される機構と言われています。

また作動機構からクロノ秒針などへの時計の輪列機構へつなぐ/切断する役目の動力伝達機構(Power Transmission)には7750のスウィングピ二オン(Swinging Pinion)に対して垂直クラッチ方式(Vertival Clutch)が採用されています。
動力の伝達が歯車で行わないために原理的に針飛び、摩擦によるエネルギー損失、部品磨耗が発生せず作動も円滑であるといわれます。
時間精度と耐久性に優れた高性能な精密機構です。
ロレックスがデイトナをモデルチェンジした2000年にこの機構を自社キャリバーに採用したと書かれている記事があります。


その他にも持続時間は45時間、石数は34石となっており、7750のそれぞれ42時間、25石と比較しても優位なスペックとなっています。
また三本のクロノ針を一瞬にして帰零させるゼロリセット機構は三叉ハンマーと呼ばれる独自の設計です。
また自動巻きの巻き上げ効率を高めるための工夫のされたマジックレバーと呼ばれる機構が採用されています。

ローターには華麗なコートドジュネーブ仕上げが施されています。
すでにセイコーブランドで使われている高性能クロノムーブとして市場でも高い評価を得ています。

外装はケース、バンドに軽くて強靭な材料であるチタンをベースにブラックのセラミックリングを加飾的に使います。
チタンはステンレスの約8に対して約3.5の比重で時計サイズの迫力からは想像出来ないほど腕につけても軽く実際の携帯でも軽快で使いやすくまたアレルギー反応もない為に極めて実用性の高い金属です。
しかし一方で硬度が低く傷がつきやすい欠点があるためチタン表面にプラチナのPVDめっきを施すことで耐摩耗性を向上しながら高級感のある明るく美しい色となっています。
傷がつきにくくいつまでも美しい外観を維持できる実用時計としての耐久性を確保しています。

ベゼルの一部には高級素材のオクタゴン八角形)セラミックを採用、明るいプラチナ色に黒のセラミックがアクセントとなりデザインポイントとなっています。
セラミックはご存知のように非常に硬質ですから当然傷もつかずサファイアクリスタルとあわせて長く美しさを保つ事が出来ます。
愛用する時計が永く傷がつかずにきれいなままで使えることは時計ファンにとってはとてもありがたいことです。

この25周年モデルにはケンテックスのこだわりがたくさん凝縮されています。
ここではすべての特徴を述べると書ききれないので今回はここまでにします。

クラフツマンのDNAとして前作から引き継ぐスペックとしてはこのほかに
トリチウム発光(Tritium Ilumination System)のダイアルと針、軟鉄インナー構造の本格耐磁性能(Anti Magnetic construction)、樽型のラバー緩衝材を使った強化耐衝撃構造(Anti Shock Construction)などがあります。

何といっても25周年モデルですのでケンテックスのこだわりをとことん、隅々まで取り入れています。


次回はさらに詳細を少しづつ述べていきたいと思います。