2006香港フェアーレポート
2006年の香港フェアー(インターナショナルウォッチ&クロックフェアー)が盛大なうちに幕を閉じた。
今年もたくさんのブースと大勢の世界中からの来訪者があり香港の時計ビジネスが相変わらず大きいことを改めて実感した。
当社ブースにもたくさんの人に来ていただきお会いすることができた。
しかしここ数年全体としての大きな変化が見られる。
それは香港の時計メーカーがこれまでのOEM一辺倒から徐々にブランドをもつようになり各社のブースが自分のブランドを多く展示するようになってきたことだ。
それはライセンスでもあり、独自のプライベートブランドでもある。
香港メーカーがこうしたブランド化するには理由がある。
それは過去10数年の香港の目覚しい経済発展とともに労働コストが高くなり生産の中国シフトとともに今度は中国が香港に取って代わってOEMビジネスのメッカとなりつつあるというわけだ。
まだまだ中国のデザインやものづくりの技術は発展途上で香港の人たちのセンスや技術には追いつかないがいづれ時間とともに香港と似通ったものになっていくだろう。
ちょうど30年以上も前の1970年代後半に日本から香港に時計産業がシフトしだしたように1980年代に香港から中国にシフトが始まり今中国が香港のビジネスを猛烈に追い上げている。
その結果差別化として香港はよりレベルの高い位置に住み分けざるを得ずデザイン的にも品質上も高いレベルの物を作れるところだけが生き残れる厳しい世界になりつつある。
今年のフェアーではブランドギャラリーがさらに増え香港メーカーのみならず海外の時計メーカーも多く参加し始めている。
KENTEXもメインのフロアーでのブースのほかにこのブランドギャラリーにも出展した。
しかしこれだけの多数のブランドが同時に出展してくるとなんだかみそもくそも的な感が出てくる。
歴史の長い、時計として本物の多いバーゼルフェアーに比べどんぐりの背比べ的マイナーブランドがひしめき合っておりその中には将来成長するだろうブランドもあると思うが商売っ気の強い中国人気質でどんどんブランド化していく流れを見ると香港フェアーの位置づけやその性格が近い将来どう変化していくのだろうか。
ある人に言わせると香港フェアーもバーゼルフェアー化してきているという見方がある。
つまりショー化しているという意味だ。従来のOEMを中心とした実際のビジネスからブランドのプロモーション活動的な意味合いに変わっていくということになる。
こちらも当事者として他人事ではないのだが比較的早くからKENTEXブランドをスタートし日本で少しづつでも地道に展開しケンテックスのものづくりに賛同してくれているファンもかなり増えてきていることは今後の継続していく支えになってくれる。
今後もKENTEXブランドを継続し、より多くの人に認めてもらい喜んでもらうためにもなんとしてでもこの業界の中で強く生き残っていかなければならない。
そのためにはやはり他社に負けない本物のものづくりができることが基本だろう。
その上でそれを普及していくための地道なプロモーション活動を行っていく。
そしていづれはどんぐりの背比べから抜き出るための方策、それはやはりなんといってもバーゼルフェアーのメインブースに近い将来ケンテックスブランドとして出展することではないかと考えている。