ESPYクラシックデイトのブルーローター
もともとこのムーブは地板の仕上げもきれいですがローターもきれいにまとまっています。
それでもどうしてもローターの特別な装飾にこだわりたかったのでずいぶんといろいろなアイデアでテストを行い試行錯誤した結果今のものになりました。
実はここまで来るのが本当に大変でした。
当初はスケルトンにしようとデザインをいろいろ考えましたがエッチングでの切り抜きに生産上の難しさがあり歩留まりがかなり悪くなりそうだったのでギブアップしました。
その後レーザーでパターンデザインしたものを造りましたがいまいち深さが無く高級感に満足できなかったのでこれもあきらめました。
その後エッチング加工で模様を入れることにし日本の紋様をテーマにいくつかデザインしましたがその中で波をイメージしたデザインが気に入りこれで深いエッチング(腐食)加工でサンプルを製作したところ満足できるレベルに浮かび上がりました。
ただそれだけでは物足りなくローターにブルーIPめっきをして始めて自分が思い描いていたレベルの満足できるものになりました。
このエッチング加工も量産上ではやはり歩留まりが悪く不良も出ましたが最終的にはたいへんオリジナリティの高い美しいローターが出来ました。
コスト的にはその分高いものになりましたが時計の裏を返した時思わず見とれてしまうぐらいの感動的なローターが出来上がったと自分で納得しています。
この時計は表ばかりでなく裏側も充分魅せられる時計になっています。
先に記したように地板の仕上げも柔らかいきれいな仕上げになっていますので裏スケルトンからムーブをじっくりと眺めるのも乙なものです。