ケンテックスの最高傑作 クラフツマン

チタン、カーボン、セラミックなど複合素材を採用した次世代ハイブリッドプレステージモデル。

まさしくクラフトウォッチと呼ぶに相応しいのが昨年末から発売をスタートしたS526X新クラフツマンです。



発表後数ヶ月が経過しましたがこれまでに数多くの時計愛好家からの問い合わせと反響をいただいております。
あらためてこの機会に私からこの新開発モデル“S526Xクラフツマン”の紹介をいたします。



ケンテックス社創業25年を機にこれまでの集大成としてケンテックスの最高傑作といえる時計を造りたいという思いから開発が始まりました。

ケンテックスの理念である ”Time Crafted to Perfection”
“最高の時計を目指す”そして“どこにもないものを造る。”
それが起点です。

デザインはもちろん機能、性能でも今我々ができる可能な限りの最高を追求した結果がここにあります。

時計としてのスペックを述べればきりがないほどこのモデルには多くの実用時計としての優れた特徴を持っています。

が、その中でも私自身はこのモデルの最大の特徴は軟鉄インナー構造を採用した超耐磁性能(Soft Iron Anti Magnetic Performance)とトリチウムマイクロガス発光システム採用(Tritium Micro Gas Illumination System)の究極の視認性の二つを強調します。

これまでにもオフィシャルページの中でも説明されており重複しますが、時計愛好家の方によりこのモデルを知っていただくためにあらためてこの二つの特徴について記します。

超耐磁性能について(Soft Iron Anti Magnetic Performance)

まず軟鉄〔純鉄〕インナーケース構造を採用した耐磁性能は一般のYUS材を裏ブタに採用したケースと違い本格的な高い耐磁性能を持つ事ができます。
クラフツマンはこの構造を採用することでJIS2種で規定する16000A/mをはるかに超える64000A/mの耐磁性能を確保することに成功しています。
A/mが磁場の強さを表す単位で正式ですが昔の呼び方(磁束密度を表す単位)でいえば約800ガウスということになります。


なおケンテックスでは今回この耐磁性能が本物であることを証明するために東京にある専門機関と協力して正式な性能試験を実施しました。

専門の試験場で規定の磁場を時計にかけてその後時計の性能への影響を検査測定し限界値を探りました。
16000A/mからスタートしましたが試験結果では64000A/mの磁場をかけても時計の性能を守ることを確認しました。(三針モデル)
さらにこの場で初めて公開するのですが25周年クロノモデルは80000A/m(≒1000ガウス)までクリアーしています。

同じ構造なのでその差はムーブの違いによるものでクロノムーブNE88自体の優れた耐磁性能があるものと判断しています。

現代の生活においてはITの進化普及でパソコンや携帯、さらに今後のリニアモーターなど、より強い磁場に遭遇する機会が以前より増えてきています。

機械式時計は金属精密部品の集合体ですから磁場の影響を受けやすく、ある意味機械式時計愛好家にとってはITの進化と普及はあまり歓迎されない環境ともいえます。
その意味では時計を保護する耐磁性能は機械式時計においてこれまで以上に必要不可欠な基本機能となると思います。

実際に強い磁場に5センチ以内に近づくと機械式時計は磁気帯びの危険があります。
いったん帯磁してしまうとどんなに高性能なムーブであっても精度が悪くなります。
そうなった場合には磁気抜きの処理が必要となります。
ですからどんな環境下にも耐えられる耐磁性能を担保しておくことは高級時計には重要で大切なことといえます。

耐磁性能試験概要については以下を参照ください。
http://kentexmag.jp/904

トリチウムマイクロガス発光システム採用(Tritium Micro gas Illumination system)

時計の実用性を云々するときに時刻を知ることは本来の機能ですが従来の技術である蓄光塗料ではたとえスーパールミナスであっても長時間の暗闇では読み取りが難しくなります。

しかしトリチウムマイクロガス管を採用した時計ではたとえ洞窟の中に一週間閉じ込められたとしても時刻はもちろんあたりを照らすぐらいの明るさで発光してくれます。
トリチウム発光は薄暗いレベルではあまり効果を感じないのですが真夜中やシネマなど長い時間暗い所にいるとその明るさに驚くぐらいの効果を実感できます。

したがって実際の携帯でも生活に便利で私自身も夜のタクシーの中など実際ずいぶん重宝しています。


どんな状況下でも時刻が読める究極の視認性と言って過言ではないと思います。

グリーン発光のトリチウム管を文字板11本と針3本(時分針と小秒針)に採用、また真っ暗な状態での時刻の読み取りを確実にするため12時のみオレンジ発光のトリチウム管を採用しています。

コストは決して安くはないのでその分価格に反映されますが時計としての究極の実用性と最高の時計を目指すクラフツマンには外せないスペックと考えました。

実際にこのレベルの耐磁性能とトリチウム採用の視認性を併せ持つ時計は私の知る限りでは世の中にほとんどないと思います。
“どこにもないものを造る“一つのこだわりがここにあります。


トリチウム発光システム(と耐磁性能)については以下を参照ください、

http://kentexmag.jp/1352


2007年の初代クラフツマン誕生以来、「究極の実用性」をコンセプトにリファインを重ねてきたクラフツマンですが、今回発表したモデルは創業から25年で培ったデザイン力と技術をほぼ全て結集した集大成モデルです。

ケンテックスのフラッグシップシリーズとしてこのクラフツマンを時計ファンの皆さんにぜひ愛用していただきたいと思います。